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今日は、旺文社の「数学Ⅱ・B入門問題精講」を紹介します。

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新刊です。

「精講」シリーズの数学Ⅱ・Bの「入門」編がついに出ました。この上位には「基礎」「標準」シリーズがあります。

これを打ち込むときには「精密 講義」と入力するように、解説が詳しいという特徴があります。
しかし「入門」編ではそれだけでなく、まず説明があり、「講義」⇒練習問題⇒「精講」という流れです。「基礎」「標準」では、練習問題⇒「精講」という流れですので、この点が違います。

で、この「講義」部分がていねいで深いのが大きな特徴です。

数学が本当に基礎から苦手な人は手に取って一度自分の目で見てほしいと思いました。


【こんな人に向いた問題集】
数学をきんと基礎から学びたい状態にある人。うわべだけ点数が取れればいい人には向かないかもしれません。基本から分からないけれど、きちんと理解したい人に向いていると思います。

【レベル】

問題集の表紙によると、今回の問題集のレベルは、

定期テストとセンター入試(共通テスト)の間にある入試基礎の段階にある人向けです。

【筆者/池田洋介さんのよる「はじめに」より】

まず、のっけから

「この本は『分かりやすい』参考書ではありません」とあります。入門なのに!

次に

「多くの人は分かりやすさを求めるけれど、分かりやすい授業にはあやうさを感じることがあるといいます」

 そうですね。林先生の講義は確かに分かりやすく楽しい。でもあればっかり毎日見ていたら、テストや受験で成功するでしょうか?少し知識が増えるぐらいのことではないでしょうか?面白いぶん、危険な面もあると思います。これに似たことは授業にも言えます。授業がいくらわかりやすくても、知識量でも、思考の密度でも、自分で本を読むことにはかないません。

「みなさんを安心させるためのその場しのぎの説明」では「本質的な理解からは永遠に遠ざかったまま」になってしまう「危険な落とし穴」と筆者は言います。

 
 語っている内容は似ていても、語り口がどこか新しい。そこがいい。
 (基本的にみんな同じことを言っていますよ!)


最後に、「学びの3箇条」を紹介しています。

・最初からすべてをわかろうとしないこと(うんうん①)
・わからなくても、どんどん先に進むこと(そういうときもある②)
・分からない部分は後でもう一度(そして何度も)読み直すこと。(分かる。あとから気になるんだよね。何度もやってしまう。そしていつの間にか身についている。分かる部分も面白かったところはやってしまうな。


ここで、ちょっと気になったのは、②の「どんどん先に進む」です。この気持ち、分かるけれど、これを伝えていいのかな?という思いがあります。というのは、本当にぜんぜんわからないのに、先に進んだら・・・!?この本は「入門」をうたっています。同時に、最初から「分かりやすい」参考書ではありません」と宣言しています。あげくのはてに、入門者には、「誰でも逆転合格できます!」みたいな極めて危険な「わからなくても、どんどん先に進む」とまで宣言してあります。


ここに秘密があります。

勉強法というものが誰かの言葉によって「決められる」とき。
そこには必ず、定義からはみ出している部分があります。
勉強法のような型通りに思えるようなことでも、
言葉だけでは表現しきれない部分があるということです。

繰り返しますが、心ある人ならば、だいたい同じことを言っています。

この本は初心者の方や、基礎から学びたい人には、とてもうってつけの本だと思います。
みなさんがこの本を丁寧にこなして、力をつけていったときに、②の言葉で筆者が言いたかった気持ち、そして僕が分かるけれど、本当に初心者にこれを言っていいのか(誤解されそう)と思った気持ちもまた見えてくると思います。

逆に、見えてきたときに、みなさんの力は確かについてきたと思います。

僕自身、指導するときには、何かを分かった瞬間や成績が伸びた瞬間よりも、そういうことを経て、生徒の放つ言葉が変わってきたときに、

「あ、わかってきたな」って思います。そういうときがいちばん親御さんにこの気持ちを届けたくなります。


【最後に】
最初のほうに、二項定理の解説があります。ぜひ読んでほしいところ。もしもできるなら、こういう思考実験的なことを自分でできるようになってほしいと思います。僕自身も、何となくは分かるけれど、見てみないと分からないので、こういうことをやっていたのです。それこそ何度もです。一回やって、こういうことか!しばらくたつと、またやりたくなって(本当に分かっているのか不安になってというのも半分)、やっぱり!ってなって。何度もやっちるうちに、理解のスピードも上がってくるので、それほど手間にはなりませんが、最初は地道に考えます。授業を受けちゃうと、こういう大切な作業がとんでしまうんです。しかし、ここに思考力をつける元があると思います。それなしで、問題ばかりやっているから・・・

では。今日はこのへんで。












この記事を書いた人:岡村文昭

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学習村代表。一宮市民会館で「フミ先生の理数教室」開催中。【対象】主に高校生・理数系を強化したい中学生。やる気に比例して得する形です!【対象科目】英数物化。実力をつければ定期テストも伸びる!定期テスト対策よりも入試当日点や模試などでの得点アップを目指す思考力&実力アップのための自立型個別指導塾です。お気軽にご相談ください。オンラインでの指導も受け付けております。 ホームページお問い合わせ)【経歴】一宮西高校⇒京都大学農学部。テレビのコメンテーターの玉川徹さんと同じ学科。塾との関わりは、岩崎京子さんが五輪で金メダルを取った1992年あたりから。【趣味】歌、Nat King ColeとかFrank Sinatraとか歌います。数学。軽登山、岐阜県金華山、百々ケ峰、各務原の迫間さんのあたり。英会話、TOEICとアマゾンプライムで英語学習。【目標】TOEIC900点越え、リスニング苦手世代。【指導実績】国公立大学 愛知県立大学・愛知教育大学・滋賀県立大学・静岡大学・名古屋工業大学・岐阜大学・福井大学  私立大学 東海大学・大阪工業大学・南山大学・藤田保健衛生大学・芝浦工業大学・愛知淑徳大学・金城大学・愛知大学・中京大学・桜花大学・中部大学・愛知工業大学・慶應大学  高校入試  一宮・一宮南・一宮商業・木曽川・名城・愛知啓成・熱田・緑・豊明・東海学園・星城など。