【配点と時間配分】
1番 30点 15分 (1)数と式(2)集合と論証(3)2次関数
2番 30点 15分 (1)図形と計量(2)データの分析
(3~5番は選択で、やや迷うところ。)
3番 20点 10分 場合の数と確率
4番 20点 10分 整数の性質
5番 20点 10分 図形の性質

【過去5年間(2015年から2019年)の平均点の推移を見てみよう。】
2015年 61.27点
2016年 55.27点
2017点 61.12点
2018点 61.91点
2019年 59.68点

ちなみに英語の受験者数は54万6712人で、数学
ⅠAは39万6479人(浪人も含む、ちなみに数学ⅡBは35万3423人で少し多い)で、2018年の18歳人口は118万人ほど。ほぼ全員が受ける高校入試と比べると、全体の34%程度である。浪人生をのぞけば30%を切るであろう。おおざっぱに言えば、中学校のときの上位30%が受けた平均点がこれぐらいと言える。高校入試と比べて簡単な試験であるとはとてもいえない。まずはこういう現実を踏まえたうえで、対策を考えていこう。

【対策~センター試験では粘って考えてはいけない】
 3~5は2問選択なのだが、ⅡBと違い、やや選択に迷うのだ。そこで、練習段階では5問60分で解けるようにしておくと、本番でもゆとりが出るであろう。
 ただし苦手でなくとも時間は足りないので、いつまでも分からない問題で止まらず、さっさと切り捨てる「いさぎよさ」を身につけることが大切だ。センター試験では「ねばり」は危険なのだ。なまじ時間があると解けるタイプだと、ついねばってしまうが、センター試験ではそれは絶対にやってはいけない。いったんとばして、時間があまればもどる。
 どうしても粘ってしまう傾向のある人は、こう考えてみてはどうだろうか?時間のかかる問題で粘って、できる問題を解く時間が足りなくなったら、その結果、正確な実力が測れなくなるのだ。テストは正確な実力を測り、自分がどのあたりにいるかを測定するものではないだろうか?そうでなかれば、模試を受ける受験料がもったいなくないだろうか?

【分析】
1番 
(1)数と式
   ここは落とせない


(2)集合と論証
よく読むとできても、ごちゃごちゃしていて混乱することも。最後のほうはすてるいさぎよさもいるが、振り返ると、簡単で「ああ」ということもあると思う。そういう場合はとにかく全体のスピードアップを図ろう。

(3)2次関数
   ここもできるだけ落としたくないが、最後のほうが詰まる人も少なくないと思う。それは基礎がたりていないだけ。

2番 
(1)図形と軽量
問題文が多くて圧倒されるが、難しさはそれほどない。ただし基本を知らないとできない。
 
(2)データの分析
分散、標準偏差、相関係数が混乱していると、アウト。チャートだけで知識は仕入れることができるが、問題への反射速度は問題演習が必要。この点は他の問題と大きく違うと思う。もちろん考えればできる。しかしその時間が足りないのだ。


3番 場合の数と確率
条件つき確率を難しい、いやだなぁと思ったことがあれば、そこで必ずつまづくような問題を出してくる。おさらいしておこう。

4番 整数の性質
整数問題は中学生の知識でもできそうな部分があるのだが、微妙にめんどくさいところをついてくる。ユークリッドの互除法は使い慣れるまでに仕上げておかないと、適当に数値を当てはめたほうが速くすむ可能性も高い。2019年度の後半は「あらかじめ準備」されており、流れに乗っていけば、精密な証明は考える必要はないのだが、試験の後にしばらく考えたくなる問題である。あくまで試験後にしよう。

5番 図形の性質
中学生の図形に悩まされた人には、悩まされる時もありそうであるが、時間があれば(ないのだが)解ける問題である。そうしておきたい。

最後に。センター数学ⅠAは、計算問題として扱おう。(僕は、こうとらえたときに、ふにおちた。時間が足りず、解けなくて、落ち込む暇があるのなら、小学校の時に何度もやった計算ドリルのように、練習をするだけ)



【対策はいつ始めるべきか(共通)】
それは配点も考慮しなくていけないと思う。確かに2次試験の対策をしていけば、直前期(11月~12月)でも間に合うという考え方もできるが、まずは自分の目で2つのことを確かめることが大切だ。一つは志望校の1次と2次の配点比率、もう一つはセンター試験の過去問を1~2回分は早めに解き、自分なりの対策を立てておくことだ。センター試験の配点が高いのに、直前になって時間が足りない!という事態はぜひとも避けておきたい。

名大工学部   1次600点<2次1300点
岐大工学部   1次500点<2次1000点
名工大配点   1次450点<2次1000点
静岡大学工学部 1次500点=2次500点
三重大学工学部 1次550点>2次500点
岐大教育学部  1次500点>2次400点
愛教大     1次900点>2次500点
名大法学部   1次900点>2次600点


【センター試験に80%は本当に必要か?】
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国公立大学の合格最低点を見ると、センター試験で7割程度のところも少なくないので、必ずしも80%が必要とはいえないだろう。特に数学を苦手としているならば、60点ほどで手を打ち、他の科目を伸ばしたほうがいい場合もあるだろう。必ず自分の目で調べてみよう。こういうところで塾におまかせにしている人は、よほどできる人かそもそも進学するべきではない人であろう。

蛍雪時代の5月号には、東進の志田先生のアドバイスが掲載されているので、気になる人はチェックしておきましょう!






  




この記事を書いた人:岡村文昭

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学習村代表。一宮市民会館で「フミ先生の理数教室」を開催中。数学を中心に理系科目の思考力をつける専門です。定期テスト対策よりも、入試当日点などの実力アップを目指したい方に特化した学び場となっております。お気軽にご相談ください。オンラインでの指導も受け付けております。 ホームページお問い合わせ)【経歴】一宮西高校⇒京都大学農学部。塾歴20年。【趣味】歌・数学・軽登山・英会話【目標】TOEIC900点越え。【指導実績】国公立大学 愛知県立大学・愛知教育大学・滋賀県立大学・静岡大学・名古屋工業大学・岐阜大学・福井大学  私立大学 東海大学・大阪工業大学・南山大学・藤田保健衛生大学・芝浦工業大学・愛知淑徳大学・金城大学・愛知大学・中京大学・桜花大学・中部大学・愛知工業大学・慶應大学  高校入試  一宮・一宮南・一宮商業・木曽川・名城・愛知啓成・熱田・緑・豊明・東海学園・星城など。
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